展覧会について

展覧会紹介

宇都宮美術館開館20周年・市制施行120周年記念
「石の街うつのみや――大谷石をめぐる近代建築と地域文化」

坑内掘り(大谷石産業 地下採掘場「石の里 希望」)|2016年|宇都宮市大谷町 撮影=大洲大作 (C)Daisaku Oozu
坑内掘り(大谷石産業 地下採掘場「石の里 希望」)|2016年|宇都宮市大谷町
撮影=大洲大作
(C)Daisaku Oozu

今からおよそ1,500万年前、わが国は海の底でした。海底火山が盛んに噴火し、その際に水中で噴出した大量の軽石流は、堆積してから長い時間をかけて岩石となりました。それが、北海道から山陰にいたる日本海側、内陸部の北関東、甲信越地方から伊豆半島にまたがるエリアに分布する「緑色凝灰岩」です。この「岩石」は、それぞれの地域の人々が利用することで「石材」となり、宇都宮近郊に産するものは「大谷石」として知られてきました。
大谷石の利用は、古くは縄文時代にさかのぼりますが、石の採掘を生業とする人々が現れたのは、江戸時代になってからです。その後、石を採る、彫る、運ぶ、使う「産業」が確立されたのは、「石の街うつのみや」が近代都市として発展をとげた明治年間から大正時代にかけて、そして大谷石を用いた「近代建築」が宇都宮や他の地域に登場したのは、大正末期から昭和の初めのことでした。特に、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが手がけた「旧・帝国ホテル ライト館」は、「鉄筋コンクリート造・大谷石張り」という「新しい工法」により、この建物が竣工した1923(大正12)年の関東大震災に耐えたため、土木・建築・都市計画の領域で注目されました。画期的な工法が導いた「新しいデザイン」が、同時代以降の建築家に与えた影響も多大なものがあります。
そのような歩みを経てきた「大谷石」について、本展では、

●地質・歴史(序章)

石材サンプル「大谷石 荒目」(原石) 2016年|宇都宮市大谷町|提供・加工=大谷石産業
石材サンプル「大谷石 荒目」(原石)
2016年|宇都宮市大谷町|提供・加工=大谷石産業

「本邦産建築石材産地分布圖」 臨時議院建築局 編 『本邦産建築石材』 1921年, 重松養二 所収 国立科学博物館蔵
『本邦産建築石材』より「本邦産建築石材産地分布圖」 1921年| 国立科学博物館蔵

写真集『石の村』より「大谷の石仏」 1947年|写真=坂本万七|個人蔵
写真集『石の村』より「大谷の石仏」
1947年|写真=坂本万七|個人蔵

●産業・建築(第1章)

中山繁信 《大谷 石切場 断面透視図》 2010年|作家蔵
中山繁信 《大谷 石切場 断面透視図》
2010年|作家蔵

大谷石の住宅模型 1950年代後半|大谷石材協同組合蔵
大谷石の住宅模型
1950年代後半|大谷石材協同組合蔵

パンフレット『大谷石CATALOGUE』 1929~30年頃|宇都宮美術館蔵
パンフレット『大谷石CATALOGUE』
1929~30年頃|宇都宮美術館蔵

建築模型「旧・宇都宮商工会議所」 縮尺150分の1|模型制作=模型工房「さいとう」|制作監修=大谷石研究会
建築模型「旧・宇都宮商工会議所」
縮尺150分の1|模型制作=模型工房「さいとう」|制作監修=大谷石研究会

パンフレット『IMPERIAL HOTEL』 1927年~昭和初期|個人蔵
パンフレット『IMPERIAL HOTEL』
1927年~昭和初期|個人蔵

パンフレット『宇都宮石材軌道株式會社 営業案内』より「線路一覽圖」 1915年|個人蔵
パンフレット『宇都宮石材軌道株式會社 営業案内』より「線路一覽圖」
1915年|個人蔵

●美術(第2章)

鈴木貫司《大谷風景》 1935年|宇都宮商工会議所蔵
鈴木貫司《大谷風景》
1935年|宇都宮商工会議所蔵

飛田朝次郎 《平和観音》(石膏原型) 1952年頃|個人蔵
飛田朝次郎 《平和観音》(石膏原型)
1952年頃|個人蔵

岡本唐貴 《石切場》 1960年|練馬区立美術館蔵
岡本唐貴 《石切場》
1960年|練馬区立美術館蔵

の観点から探ります。「地質・歴史」では、それが「どのような岩石なのか」を分かりやすく示し、「産業・建築」においては、大谷石が「地域産業としてどれほど発展を遂げたか」「日本の近代建築史にどのような意味を持つのか」を詳しく分析します。さらに、「美術」では、この石を産する「大谷」を、美術家たちが「どのように捉えたか」に関して、多様な表現の作品によって紹介します。

展覧会の見どころや関連事業の詳細、関連トピックスについては、ヴィジュアルなショート・エッセイとして「ニュース」欄で綴っていますので、ご一読ください。また、動画は YouTube 内の公式チャンネルをご覧いただければ幸いです。

展覧会図録については、こちら及びミュージアム・ショップの紹介ページをどうぞ。

会期

2017年1月8日(日)~3月5日(日)

開館時間

午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日

毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)

観覧料

一般600円(480円)、大学生・高校生400円(320円)、中学生・小学生200円(160円)
※(  )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者(1名)は無料
※宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料
※毎月第3日曜日は「家庭の日」です。高校生以下の方を含むご家族で来館された場合、観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料

主催

宇都宮美術館 http://u-moa.jp/

下野新聞社 http://www.shimotsuke.co.jp/

特別協力

大谷石材協同組合 http://ooya-stone.jp/

大谷石内外装材協同組合 http://ooyaishinaigaisou.com/

大谷石研究会 http://www.ooyaishi.org/

大谷石産業 http://www.ooyaishisangyo.com/

協力

宇都宮大学農学部 地質学研究室 http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/plaj/Labo/Geology.html

後援

宇都宮商工会議所 http://www.u-cci.or.jp/

宇都宮まちづくり推進機構 http://www.machidukuri.org/